「原子爆弾は、アメリカ反動派が人々を脅かすために使う紙の虎である。それは恐ろしく見えるが、実際にはそうではない。もちろん原子爆弾は大量殺戮の兵器であるが、戦争の勝敗を決定するのは人民であり、一つ二つの新兵器ではない」

- 1893年12月26日~1976年9月9日
- 中国出身
- 政治家、思想家
英文
”The atom bomb is a paper tiger which the U.S. reactionaries use to scare people. it looks terrible but in fact it isn’t. Of course, the atom bomb is a weapon of mass slaughter, but the outcome of a war is decided by the people–not by one of two new types of weapon.”
日本語訳
「原子爆弾は、アメリカ反動派が人々を脅かすために使う紙の虎である。それは恐ろしく見えるが、実際にはそうではない。もちろん原子爆弾は大量殺戮の兵器であるが、戦争の勝敗を決定するのは人民であり、一つ二つの新兵器ではない」
解説
この言葉は、毛沢東が1946年以降に繰り返し述べた有名な「原子爆弾は紙の虎である」という比喩の一節である。当時、第二次世界大戦直後にアメリカが核兵器を独占し、中国を含む多くの国に核の脅威を与えていた。しかし毛沢東は、核兵器の脅威に屈せず、最終的に戦争を決するのは人民の力であると強調した。ここで「紙の虎」とは、外見は恐ろしくとも本質的には脆弱であるという意味である。
この発想の背景には、毛沢東の人民戦争観がある。彼にとって、戦争の勝敗は兵器の性能ではなく、どれだけ広範な人民を組織し動員できるかにかかっていた。原子爆弾は恐ろしい破壊力を持つが、それでも人民の抵抗と組織的闘争を打ち砕くことはできない、とする強い信念があった。
現代においてもこの言葉は、軍事力の絶対性を疑う視点として重要である。たとえば、強大な核兵器や最新兵器を持つ国であっても、長期的な占領や支配は人民の抵抗によって挫折することが歴史的に示されている。毛沢東の言葉は、人民の覚醒と団結が最終的な勝敗を左右するという政治的メッセージであり、核時代における勇気づけの象徴ともなった。
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