「絵画における遠近法の区分は3つある。1つ目は不透明な物体の大きさの縮小、2つ目はその物体の輪郭の縮小および消失、3つ目は長距離での色の縮小および消失である」

- 1452年4月15日~1519年5月2日
- イタリア出身
- 万能人(画家、彫刻家、建築家、発明家、科学者など)
- 絵画「モナ・リザ」や「最後の晩餐」をはじめとする芸術作品の制作、さらに「飛行機の設計図」や「解剖学の研究」などの科学や工学における先駆的なアイデアも多く残した
英文
“The divisions of Perspective are 3, as used in drawing; of these, the first includes the diminution in size of opaque objects; the second treats of the diminution and loss of outline in such opaque objects; the third, of the diminution and loss of colour at long distances.”
日本語訳
「絵画における遠近法の区分は3つある。1つ目は不透明な物体の大きさの縮小、2つ目はその物体の輪郭の縮小および消失、3つ目は長距離での色の縮小および消失である」
解説
ダ・ヴィンチは、遠近法において非常に科学的で論理的なアプローチを取っていた。彼は、物体が距離によって視覚的にどのように変化するかを理解することで、絵画におけるリアリティを高めることができると考えていた。この名言では、遠近法を3つの重要な側面に分けて説明している。
1つ目の要素は「大きさの縮小」であり、これは物体が距離が離れるにつれて視覚的に小さく見える現象を指している。例えば、近くにある建物は大きく見えるが、遠くにある建物は同じ大きさであっても小さく見える。ダ・ヴィンチは、この大きさの変化を正確に描写することが、絵画における遠近感を生み出すための基本であると考えていた。
2つ目の要素は「輪郭の縮小および消失」であり、物体が遠ざかるにつれて、その形や輪郭がぼやけ、視覚的に消えていくことを示している。距離が離れるほど、物体の輪郭ははっきりと見えなくなり、描写が困難になる。ダ・ヴィンチは、この現象を理解し、遠近法に適用することで、絵画における深みや奥行きを表現することができると考えた。
3つ目の要素は「色の縮小および消失」であり、これは遠距離にある物体の色が薄れたり、視覚的に消えてしまう現象を指している。物体が遠ざかるにつれて、色彩のコントラストが弱まり、最終的には色そのものが見えなくなる。この現象を正確に再現することで、絵画における距離感や空間の広がりを表現できる。
これらの3つの要素は、遠近法を正しく適用するために不可欠な要素であり、ダ・ヴィンチはこれらの原則を絵画に取り入れることで、視覚的に正確でリアルな描写を追求した。彼の科学的なアプローチは、絵画における視覚的な現象を正確に捉えるための重要な手がかりを提供している。
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