「僕たちのMBE受勲に文句を言った多くの人たちは、戦争で人を殺した英雄行為で勲章をもらっている。僕たちは人々を楽しませたことで受勲した。僕は、僕たちの方がよほど受けるに値すると思う」

- 1940年10月9日~1980年12月8日
- イギリス出身
- ミュージシャン、作詞作曲家、平和活動家
- ロックバンド「ザ・ビートルズ」の創設メンバーとして世界的な名声を得た。解散後もソロアーティストとして活動し、『Imagine』などの楽曲で反戦と平和を訴えた。音楽と社会運動の両面で20世紀の文化に大きな影響を与えた。
英文
“Lots of people who complained about us receiving the MBE received theirs for heroism in the war – for killing people. We received ours for entertaining other people. I’d say we deserve ours more.”
日本語訳
「僕たちのMBE受勲に文句を言った多くの人たちは、戦争で人を殺した英雄行為で勲章をもらっている。僕たちは人々を楽しませたことで受勲した。僕は、僕たちの方がよほど受けるに値すると思う」
解説
この発言は、1965年にビートルズがイギリス王室からMBE(大英帝国勲章第五位)を授与された際、一部の保守層や退役軍人から起こった批判に対するジョン・レノンの反論である。彼はここで、暴力や戦争による「英雄行為」と、平和的な娯楽による社会貢献を比較し、後者の意義を強調している。これは、功績とは何か、そしてそれがどのように評価されるべきかという価値観の違いを鋭く突いた言葉である。
戦後のイギリスでは、軍務や戦争に関わる行為が伝統的に高く評価されていた。一方で、ポピュラー音楽や若者文化はしばしば軽視あるいは蔑視の対象とされた。レノンはこの発言において、命を奪う行為よりも、心を癒やし、社会に喜びをもたらす行為こそが称賛されるべきだという新しい価値観を提示したのである。
この視点は、現代においても有効である。芸術やエンターテインメントの社会的意義は、ますます認識されるようになっている。戦功や権力だけでなく、文化的影響や人々の感情に寄与する行為もまた称賛されるべき功績である。レノンの言葉は、名誉や称賛の本質を再考させる挑戦的な問いかけとなっている。
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