「無知な者は、賢者が千年前に答えた問いを今なお持ち出す」

- 1749年8月28日~1832年3月22日
- ドイツ出身
- 詩人、劇作家、小説家、哲学者、政治家
英文
“Ignorant men raise questions that wise men answered a thousand years ago.”
日本語訳
「無知な者は、賢者が千年前に答えた問いを今なお持ち出す」
解説
この名言は、人間の知的進歩があるにもかかわらず、無知な者は過去の教訓や知恵に学ばず、同じ問いを繰り返すという、ゲーテの批判的かつ歴史意識の強い洞察を示している。ここで語られるのは、知識とは単に情報ではなく、人類の経験と蓄積された英知の継承であるという前提であり、それを無視する者は、思索において常に初学者にとどまるという警告である。
「賢者が千年前に答えた」という表現には、古代からの哲学、倫理、宗教、自然観など、人間存在に対する根源的な問いにはすでに本質的な答えが与えられているという含意がある。ゲーテ自身、多くの古典に学び、時代を超えて通じる知の価値を重んじていた。そのため、歴史的知識や思索を軽んじ、浅薄な問いを繰り返す無知な態度に対しては、厳しい姿勢を崩さなかった。
現代においても、科学や技術が発展する一方で、人間の倫理的・哲学的な問いは繰り返し現れる。たとえば「正義とは何か」「人はなぜ生きるのか」といった問いは、過去の思想家たちが深く考え抜いた主題である。この名言は、知識への謙虚さと、歴史的思索に学ぶ姿勢の大切さを教えている。すなわち、新しい問いを立てる前に、先人の答えを深く理解せよという、知の継承に対するゲーテの強い信念が、この短い言葉に凝縮されている。
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