「自らをインド人、ムスリム、キリスト教徒、ヨーロッパ人、あるいはその他の何かと呼ぶとき、あなたは暴力的である。なぜそれが暴力なのか分かるだろうか。それは自分を人類全体から切り離しているからである。信念や国籍、伝統によって自らを分離するとき、それは暴力を生み出す」

ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
  • 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
  • インド出身
  • 思想家、精神的指導者

英文

”When you call yourself an Indian or a Muslim or a Christian or a European or anything else, you are being violent. Do you see why it is violent? Because you are separating yourself from the rest of mankind. When you separate yourself by belief, by nationality, by tradition, it breeds violence.”

日本語訳

「自らをインド人、ムスリム、キリスト教徒、ヨーロッパ人、あるいはその他の何かと呼ぶとき、あなたは暴力的である。なぜそれが暴力なのか分かるだろうか。それは自分を人類全体から切り離しているからである。信念や国籍、伝統によって自らを分離するとき、それは暴力を生み出す」

解説

この言葉は、アイデンティティと分離が暴力を生む根源であるという洞察を示している。クリシュナムルティは、宗教や民族、国籍といったラベルが人間を区別し対立を生み出すと考えた。自分を特定の集団に属するものとして定義することは、無意識に他者を「異なるもの」と見なし、敵対や排除の土台を築くのである。

ここで彼が暴力と呼ぶのは、単なる肉体的攻撃だけではなく、心の中での分離や差別の種を指している。信念や伝統が「我々」と「彼ら」を作り出すとき、そこには必然的に衝突の可能性が潜む。したがって、暴力を克服するためには、外的制度を変えるだけでなく、分離を生み出す内的な意識構造を理解する必要がある。

現代社会でも、この洞察は強い現実味を持つ。宗教的対立や民族紛争、国家間の緊張は、いずれも「自分」と「他者」を分ける意識から生まれる。クリシュナムルティの言葉は、人類全体を一つの存在として見る視点の重要性を示しており、それこそが暴力の連鎖を断ち切る唯一の道であると訴えている。

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