「しかし、私は言う。あなたの敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい。そうすることで、天におられるあなた方の父の子となるであろう。神は悪人にも善人にも日の出を与え、正しい者にも不正な者にも雨を降らせるのである」
- 紀元前6年から紀元前4年頃~紀元後30年頃もしくは33年頃
- ユダヤ(現在のイスラエル・パレスチナ)出身
- 宗教指導者、伝道者
- キリスト教の創始者であり、世界中の宗教と文化に大きな影響を与えた
英文
“But I say to you, Love your enemies and pray for those who persecute you, so that you may be sons of your Father who is in heaven; for he makes his sun rise on the evil and on the good, and sends rain on the just and on the unjust.”
日本語訳
「しかし、私は言う。あなたの敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい。そうすることで、天におられるあなた方の父の子となるであろう。神は悪人にも善人にも日の出を与え、正しい者にも不正な者にも雨を降らせるのである」
解説
この言葉は、敵意や迫害に対しても愛と祈りで応えるべきであるという、イエス・キリストの愛の教えの核心を表している。イエスは、自分に敵対する者や迫害する者にも慈愛を示すことが、神の子としての品性を養うために不可欠であると説いている。この教えは当時、ユダヤ社会に根強く存在した報復や敵対的な態度に対する挑戦でもあった。イエスは、人間の愛が条件に縛られるべきでないことを示すために、神が悪人にも善人にも等しく日の出と雨を与えるように、私たちもまた敵をも愛すべきであると教えている。これにより、神の無条件の愛と寛大さに近づく道が示されているのである。
この教えは、現代においても個人や社会の成熟に役立つものである。敵対や迫害の念に対し、反発や復讐をせず、むしろ愛と祈りで応えることは、内面の成長を促し、平和な関係を築くための土台となる。たとえば、職場や学校での対人関係で意見が合わない人や敵対的な態度を取る人に対しても、敵意を持たず、理解と優しさを持って接することが、人間関係の円滑化と自分自身の成長につながる。このようにして、他者への許しと理解を通じて、社会全体に調和と平和をもたらすことが可能である。敵対する者に対する愛を持つことは、自分の精神を解放し、より大きな慈悲と理解に向かう道であるといえる。
さらに、この教えは、他者の過ちを超えてその人の本質を見つめ、無条件の愛で接することの重要性を示している。私たちは時として他人の言動に影響されがちだが、この教えは、相手の行動や態度に関係なく、自分の信じる道徳や信仰に基づいて行動することの意義を強調している。たとえば、対立や誤解が生じた場合でも、相手を非難するのではなく、彼らのために祈り、互いに理解し合う道を模索することで、心の平安と相互の成長が得られる。「敵を愛し、迫害する者のために祈る」というこの教えは、他者に対する思いやりが条件を超えた普遍的な愛であることを私たちに教え、個人と社会のより良い未来を築くための力を与えるのである。
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