「乱用に彩られてはいるものの、新聞にのみ、世界は理性と人道が誤謬と抑圧に打ち勝ってきたあらゆる勝利を負っている」

ジェームズ・マディソン(画像はイメージです)
ジェームズ・マディソン(画像はイメージです)
  • 1751年3月16日~1836年6月28日(85歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、第4代アメリカ合衆国大統領、「合衆国憲法の父」

英文

”To the press alone, chequered as it is with abuses, the world is indebted for all the triumphs which have been gained by reason and humanity over error and oppression.”

日本語訳

「乱用に彩られてはいるものの、新聞にのみ、世界は理性と人道が誤謬と抑圧に打ち勝ってきたあらゆる勝利を負っている」

解説

この言葉は、報道・出版の自由の役割を強調したものである。ジェームズ・マディソンは、新聞や出版がしばしば乱用され、誤った情報や扇動をもたらすことを認めつつも、それでもなお報道が人類の自由と進歩に決定的な貢献をしてきたと述べている。つまり、不完全さを抱えながらも、理性と人道の勝利は報道の存在に依存していると断言している。

この背景には、18世紀から19世紀にかけての啓蒙思想と民主主義の発展がある。絶対王政や抑圧的な支配に対抗するために、新聞やパンフレットは重要な手段となった。特にアメリカ独立戦争においては、出版物が人々に自由の理念を広め、世論を形成する役割を果たした。マディソンの言葉は、そうした歴史的経験に根ざしたものである。

現代でもこの指摘は有効である。インターネットやSNSが登場し、フェイクニュースや情報操作の問題が深刻化しているが、それでも報道や言論の自由がなければ権力の監視や人権擁護は不可能である。マディソンの警句は、自由な報道が人類の理性と人道の砦であることを改めて思い起こさせるものである。

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