「実践理性の対象は、善と悪の二つだけである。善とは、理性の原則に従って必然的に求められるものであり、悪とは、同じく理性の原則に従って必然的に避けられるものである」
- 1724年4月22日~1804年2月12日
- ドイツ(東プロイセン)出身
- 哲学者
- 代表作「純粋理性批判」や「実践理性批判」を通じて、理性の限界や道徳の基礎を探求し、現代哲学に多大な影響を与えた
英文
“The only objects of practical reason are therefore those of good and evil. For by the former is meant an object necessarily desired according to a principle of reason; by the latter one necessarily shunned, also according to a principle of reason.”
日本語訳
「実践理性の対象は、善と悪の二つだけである。善とは、理性の原則に従って必然的に求められるものであり、悪とは、同じく理性の原則に従って必然的に避けられるものである」
解説
この名言は、カントの倫理哲学における実践理性の対象についての説明であり、善と悪を理性に基づいて区別する重要性を示している。実践理性とは、理性が人間の行動を導くために用いられるものであり、カントは、理性に基づいて行動すべき対象は善と悪だけであると考えた。善は理性の原則に従って追求されるべきものであり、悪は理性の原則に基づいて避けられるべきものであるとされる。
現代においても、倫理的な判断において善悪の区別を理性で行うことは、道徳的指針として重要である。個人の利益や感情に左右されることなく、理性に基づいた普遍的な基準で善悪を判断することで、社会全体の倫理観が保たれる。例えば、正直さや他者への配慮などは理性に基づく善とされ、逆に人を傷つける行為や欺瞞は避けるべき悪とされる。
この名言は、理性に従った行動の重要性を教えている。個々の行動が社会に与える影響を考慮し、善を追求し悪を避けることで、自己の道徳的価値を高め、より良い社会の構築に貢献することができる。
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