「善なる大義が戦争を神聖化するのだと言うのか?私はこう言おう。善き戦争こそが、あらゆる大義を神聖化するのだ」

フリードリヒ・ニーチェ
フリードリヒ・ニーチェの名言
  • 1844年10月15日~1900年8月25日
  • ドイツ出身
  • 思想家、哲学者、詩人、古典文献学者
  • 『ツァラトゥストラはこう語った』『善悪の彼岸』『道徳の系譜』などの著作で、従来の道徳や宗教、真理に疑問を投げかけ、現代哲学に多大な影響を与えた

英文

“You say it is the good cause that hallows even war? I say unto you: it is the good war that hallows any cause.”

日本語訳

「善なる大義が戦争を神聖化するのだと言うのか?私はこう言おう。善き戦争こそが、あらゆる大義を神聖化するのだ」

解説

ニーチェは、戦争が正当化されるのはその「大義」ではなく、戦争自体が「善きものである」場合にのみ、戦争に伴うあらゆる目的や価値が正当化されると主張している。通常、戦争はある目的や理念を掲げて正当化されることが多いが、ニーチェはむしろ、戦争そのものの性質や姿勢によって、掲げる目的や大義が初めて価値を持つと考えている。この見解には、正当な理由や意義を持って行われる戦争でも、戦争自体の性質が不道徳であれば、その大義も無意味になる可能性があるという批判が含まれている。

この考え方は、目的が手段を正当化するかという問題にも関連している。たとえば、戦争が正義のために行われると主張される場合でも、戦争の方法や態度が倫理的でなければ、その大義や目的は実質的に意味を持たないとする見方である。ニーチェは、「善き戦争」とは、単に勝利を目指すものではなく、高潔さや尊厳、そして倫理的な一貫性を持つものであるべきだと示唆している。彼は、戦争が「善きもの」である場合のみ、その戦争の目的が「神聖化」され、価値を持つと考えている。

ニーチェのこの言葉は、戦争や闘争において、目的や大義だけではなく、その行為自体が正当性や倫理性を伴うことの重要性を強調している。正当な戦争は、単に目的のための手段ではなく、行動そのものが価値あるものであるべきであり、その倫理性があってこそ目的や大義が本物になるという視点を示している。ニーチェは、行為の善性こそが、その背後にある目的や理想の価値を高めると考えている。

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