「私は資本主義を嫌悪している。それは汚らわしく、醜く、人を疎外する……なぜなら資本主義は、戦争と偽善、そして競争を引き起こすからだ」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“I find capitalism repugnant. It is filthy, it is gross, it is alienating… because it causes war, hypocrisy and competition.”
日本語訳
「私は資本主義を嫌悪している。それは汚らわしく、醜く、人を疎外する……なぜなら資本主義は、戦争と偽善、そして競争を引き起こすからだ」
解説
この言葉は、フィデル・カストロの資本主義に対する根源的な批判と拒絶を最も直截に表現した発言の一つである。彼にとって資本主義は、単なる経済体制ではなく、人間関係と社会構造全体を腐敗させる「不道徳な秩序」であった。「汚らわしい」「醜い」「疎外する」といった表現には、人間の尊厳を破壊し、連帯よりも利己心を助長する体制への激しい嫌悪感が込められている。
とくにカストロは、資本主義が「戦争」「偽善」「競争」を生み出すと断じているが、これは冷戦期におけるアメリカの軍事介入、経済制裁、文化的プロパガンダなどを念頭に置いた言葉である。戦争は資源と市場の奪い合いの結果であり、偽善は自由や人権の名のもとに行われる干渉の裏に潜むダブルスタンダードを意味し、競争は社会的連帯を破壊するものと見なされていた。
現代においてもこの言葉は、グローバル資本主義がもたらす格差、環境破壊、社会的分断といった問題に対する根本的な問いかけとして重みを持つ。カストロのこの発言は、体制批判の中に倫理的判断を織り交ぜ、人間性の回復を志向する社会構想を訴えた、強烈なイデオロギー的・道徳的声明である。
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