「昔の人々は、祖国のために死ぬことは甘美であり、ふさわしいと書いた。しかし、現代の戦争においては、死には何の甘美さもふさわしさもない。無意味に犬のように死ぬだけだ」

アーネスト・ヘミングウェイ
アーネスト・ヘミングウェイの名言
  • 1899年7月21日~1961年7月2日
  • アメリカ出身
  • 小説家、詩人、ジャーナリスト
  • 『老人と海』や『武器よさらば』、『誰がために鐘は鳴る』などの名作を著し、1954年にノーベル文学賞を受賞した

英文

“They wrote in the old days that it is sweet and fitting to die for one’s country. But in modern war, there is nothing sweet nor fitting in your dying. You will die like a dog for no good reason.”

日本語訳

「昔の人々は、祖国のために死ぬことは甘美であり、ふさわしいと書いた。しかし、現代の戦争においては、死には何の甘美さもふさわしさもない。無意味に犬のように死ぬだけだ」

解説

この名言は、ヘミングウェイの戦争に対する辛辣な批判と、戦場での現実を鋭く描写している。彼自身、第一次世界大戦やスペイン内戦を通じて戦争の非人間的な一面を目の当たりにし、それを文学や人生観に反映させた。この言葉は、戦争の美化や英雄的な死の概念を徹底的に否定し、戦争の残酷な現実を告発している。

「昔の人々は、祖国のために死ぬことは甘美であり、ふさわしいと書いた」という部分は、古代ローマの詩人ホラティウスの言葉「Dulce et decorum est pro patria mori(祖国のために死ぬことは甘美であり、ふさわしい)」を引用している。この考え方は長らく戦争を美化し、兵士たちに自己犠牲の正当性を与える言葉として用いられてきた。

「現代の戦争には甘美さもふさわしさもない」というヘミングウェイの反論は、戦争がもはや栄光や高貴な死と結びつかない非人間的な行為であるという認識を表している。現代戦では、無差別な破壊や犠牲が増え、個人の死がしばしば無意味なものとして扱われる。

「犬のように死ぬ」という比喩は、戦場での兵士の命がどれほど軽視されているかを象徴している。死が栄光のためでも正義のためでもなく、無計画や無意味な行動の結果として訪れる現実を、ヘミングウェイは辛辣に描いている。

この名言は、現代の戦争に対する批判として、今なお重要なメッセージを持つ。戦争がどれほど悲惨で無意味なものであるかを再認識し、戦争の美化や正当化に対して冷静に立ち向かう姿勢を促している。ヘミングウェイの言葉は、戦争の本質を鋭く突き、その影響を深く考えさせる力を持っている。

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