「危機に直面したとき、人間としての器を持つ者は自らに立ち返る。自らの行動に印を刻み、それを引き受け、自分自身のものとするのだ」

- 1890年11月22日~1970年11月9日
- フランス出身
- 軍人、政治家、第18代フランス大統領
- 第二次世界大戦中に自由フランスを主導し、戦後はフランス第五共和政を樹立。大統領として強力な指導力を発揮し、植民地政策の転換や独自の外交路線を推進した。近代フランスの象徴的指導者として知られている。
英文
“Faced with crisis, the man of character falls back on himself. He imposes his own stamp of action, takes responsibility for it, makes it his own.”
日本語訳
「危機に直面したとき、人間としての器を持つ者は自らに立ち返る。自らの行動に印を刻み、それを引き受け、自分自身のものとするのだ」
解説
この名言は、真の人格者とは、外的な状況に流されることなく、自らの内面に基づいて行動し、その結果に責任を持つ者であるというド・ゴールの人間観とリーダー観を語っている。危機の瞬間において、多くの人は他人や状況に責任を転嫁しがちであるが、「人間としての器」を持つ者は、自分の信念と判断に基づいて行動し、それを「自分の行い」として引き受ける覚悟を持つ。この言葉には、責任と主体性の倫理が力強く表現されている。
ド・ゴール自身、第二次世界大戦の敗戦後に多くの同胞が動揺するなか、ロンドンに赴き、自由フランスを宣言するという孤独かつ重大な決断を下した。それは政府や軍の命令ではなく、自らの信念と歴史への責任感から出た行動であった。彼の選択は、まさにこの名言が語るように、内面の規範に基づいた行動であり、その帰結をすべて引き受ける覚悟を伴っていた。
現代社会においてもこの言葉は、リーダーシップや自己実現における最も根源的な姿勢を示している。環境や他者に依存するのではなく、危機にこそ自己に立ち返り、意志と責任をもって行動することの尊さを、この名言は静かに、しかし強く訴えている。
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