「偽の事実は科学の進歩に非常に有害である。それはしばしば長期間存続するからだ。しかし、いくらかの証拠に基づく誤った見解はほとんど害を及ぼさない。なぜなら、誰もがその誤りを証明することに健全な喜びを見出すからである」
- 1809年2月12日~1882年4月19日
- イングランド(イギリス)出身
- 自然学者、地質学者、生物学者
- 『種の起源』を著し、進化論と自然選択説を提唱した
英文
“False facts are highly injurious to the progress of science, for they often endure long; but false views, if supported by some evidence, do little harm, for every one takes a salutary pleasure in proving their falseness”
日本語訳
「偽の事実は科学の進歩に非常に有害である。それはしばしば長期間存続するからだ。しかし、いくらかの証拠に基づく誤った見解はほとんど害を及ぼさない。なぜなら、誰もがその誤りを証明することに健全な喜びを見出すからである」
解説
ダーウィンはこの言葉で、科学における「偽の事実」と「誤った見解」の違いを指摘している。偽の事実は科学的探求の基礎を誤った方向に導き、長期間その影響が残るため、科学の進歩を阻害する。一方で、証拠を伴った誤った見解は、検証可能であるため、むしろ議論を促進し、科学の発展に寄与する場合があるという見解を示している。
この考え方は、現代の科学研究にも通じる。データの正確性や信頼性が非常に重要視される一方で、新しい仮説や理論が誤りを含むこと自体は科学の進展に不可欠なプロセスとされている。ダーウィンの言葉は、科学者が誤った見解を恐れるのではなく、それを精査し修正する過程を楽しむことの重要性を示している。
さらに、この言葉は批判的思考の必要性を強調している。科学は、誤りを訂正し、新しい知識を生み出す自己修正的なプロセスを持つ。このようなプロセスを通じて、科学はより正確で信頼できる理解へと進化する。ダーウィンの言葉は、科学の本質が誤りの排除にあるだけでなく、その過程で得られる洞察と発展にあることを教えている。
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