「私は単純なものから複雑なものへと進んでいく。しかし、他のどの主題よりも戦争においては、まず全体の性質を見ることから始めなければならない。ここでは他のどこよりも、部分と全体を常に一緒に考える必要がある」

カール・フォン・クラウゼヴィッツ
カール・フォン・クラウゼヴィッツの名言
  • 1780年7月1日~1831年11月16日
  • プロイセン王国(現ドイツ)出身
  • 軍人、軍事理論家
  • 著書『戦争論』で「戦争は他の手段をもってする政治の延長」と述べ、近代軍事学に大きな影響を与えた

英文

“I shall proceed from the simple to the complex. But in war more than in any other subject we must begin by looking at the nature of the whole; for here more than elsewhere the part and the whole must always be thought of together.”

日本語訳

「私は単純なものから複雑なものへと進んでいく。しかし、他のどの主題よりも戦争においては、まず全体の性質を見ることから始めなければならない。ここでは他のどこよりも、部分と全体を常に一緒に考える必要がある」

解説

この名言は、戦争という複雑な現象を理解するための分析的アプローチを示している。クラウゼヴィッツは、戦争を個別の要素だけでなく、その全体像を踏まえて考察する必要性を強調している。つまり、戦場での具体的な行動や戦術だけでなく、それがどのように戦略や国家政策と結びついているかを理解しなければ、戦争の本質を捉えることはできないという主張である。

彼の言う「全体」とは、戦争を取り巻くあらゆる要素、すなわち政治的背景、経済的条件、文化的要因、そして戦場での具体的な行動を含んでいる。この考え方は、19世紀初頭のクラウゼヴィッツの時代において、戦争を単なる軍事的衝突ではなく、国家全体の活動として捉える革新的な視点であった。彼は、戦争を分析する際に、単純な要素を積み上げて理解するだけでなく、全体と部分の相互作用を考慮する必要性を訴えている。

現代では、この名言は戦争以外の分野にも応用される。たとえば、企業経営においては、個々のプロジェクトや部門の成果を評価するだけでなく、それらがどのように企業全体の戦略と関連しているかを考える必要がある。同様に、環境問題や国際政治においても、個別の事象を全体的な文脈の中で捉えることが重要である。この言葉は、複雑な問題を分析する際に、全体の視点を常に保持することの重要性を教えてくれる。

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