「あらゆる行動は、いわば薄明の中で行われる。それは霧や月明かりのように、物事をしばしば奇怪で実際よりも大きく見せるものである」
- 1780年7月1日~1831年11月16日
- プロイセン王国(現ドイツ)出身
- 軍人、軍事理論家
- 著書『戦争論』で「戦争は他の手段をもってする政治の延長」と述べ、近代軍事学に大きな影響を与えた
英文
“All action takes place, so to speak, in a kind of twilight, which like a fog or moonlight, often tends to make things seem grotesque and larger than they really are.”
日本語訳
「あらゆる行動は、いわば薄明の中で行われる。それは霧や月明かりのように、物事をしばしば奇怪で実際よりも大きく見せるものである」
解説
この言葉は、戦争や重大な決断を行う際に直面する不確実性や曖昧さを示している。クラウゼヴィッツは、戦場や決断の場において、情報の不足や誤認が頻繁に発生し、それが現実を歪める要因になることを強調している。彼がいう「薄明」とは、完全な視界や明確な状況が存在しない状態を比喩的に表現したものである。
彼の生きた19世紀は、戦争が直接的な情報収集や伝達手段に大きく依存していた時代であり、誤情報や錯覚が戦局を左右する場面も多かった。この文脈で、「物事が実際よりも大きく見える」とは、恐怖や不安、誇張された報告による心理的影響を指している。現代においても、戦争だけでなく経営や政治の決断において、完全な情報を得ることが難しいという共通点が見られる。
具体例として、企業の危機管理においてもこの名言の適用が見られる。例えば、予想外の市場変動やトラブル発生時に、当初の情報が曖昧であることから、問題の深刻さが過大評価されるケースがある。そのため、冷静な分析と適切な判断が求められる。この言葉は、事実と錯覚を区別することの重要性を改めて教えていると言える。
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