「人間は両生類である――半分は霊であり、半分は動物だ。霊としては永遠の世界に属し、動物としては時間の中に生きる」

C・S・ルイス
C・S・ルイスの名言

画像のクレジット表示:Aronsyne,”Lewis, age 48″,CC BY-SA 4.0,C.S.-Lewis – C. S. Lewis – Simple English Wikipedia, the free encyclopedia

  • 1898年11月29日~1963年11月22日
  • アイルランド出身
  • 作家、学者
  • 『ナルニア国物語』シリーズや『キリスト教の詩学』など、多くの著作を通じてファンタジー文学と宗教思想に大きな影響を与えた

英文

“Humans are amphibians – half spirit and half animal. As spirits they belong to the eternal world, but as animals they inhabit time.”

日本語訳

「人間は両生類である――半分は霊であり、半分は動物だ。霊としては永遠の世界に属し、動物としては時間の中に生きる」

解説

この名言は、C・S・ルイスの著作『悪魔の手紙』(The Screwtape Letters) に登場する一節であり、人間の二重性を端的に表している。ルイスは、人間を霊的存在と物質的存在の複合体として捉え、それが人間の本質や生き方を大きく規定していると主張する。この視点は、キリスト教神学の伝統に基づき、人間を神の似姿としての霊性と被造物としての物質性の間で生きる存在と見なすものである。

霊的存在としての人間は永遠性、すなわち時間に縛られない神の視点に近い部分を持つ。一方で、物質的存在としては時間の流れや肉体の制約を受け、有限性と闘いながら生きている。この二重性こそが、人間が道徳的・霊的な選択をする能力を持つ根拠であり、同時に葛藤の原因でもある。例えば、物質的欲望に流される一方で、永遠の価値や意味を求めるという相反する動機が、人間の心の中で対立することがある。

この言葉は、現代においても重要な洞察を提供する。テクノロジーの進歩や物質主義が強調される社会の中で、人間が霊的・永遠的な価値を見失う危険があることを思い出させるからだ。ルイスは、人間が霊的な側面を育てつつ、物質世界で責任を持って生きるバランスを追求することの重要性を示唆している。この二重性を理解し、受け入れることが、自己理解と霊的成長の鍵となる。

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