「すべての行動において、その行動を越えて、過去・現在・未来の自分の状態や、それが影響を及ぼす他者を見つめ、それらすべての関係を見なければならない。そうすれば、私たちは非常に慎重になるだろう」
- 1623年6月19日～1662年8月19日
- フランス出身
- 哲学者、数学者、物理学者、キリスト教神学者
英文
“In each action we must look beyond the action at our past, present, and future state, and at others whom it affects, and see the relations of all those things. And then we shall be very cautious.”
日本語訳
「すべての行動において、その行動を越えて、過去・現在・未来の自分の状態や、それが影響を及ぼす他者を見つめ、それらすべての関係を見なければならない。そうすれば、私たちは非常に慎重になるだろう」
解説
この言葉は、行動における倫理的かつ包括的な視野の重要性を強調している。パスカルは、一つの行動を評価するには、その瞬間の動機だけでなく、それがどこから来たのか（過去）、どのような状況で行われているのか（現在）、そして何をもたらすのか（未来）を踏まえる必要があると説いている。またその影響が自分以外の誰に、どう及ぶのかも見極めなければならない。
これは、彼の人間理解が複雑な因果関係と道徳的責任に基づいていたことを示している。人は独立した存在ではなく、時間的・社会的文脈の中で生きている。したがって、無自覚な行動はしばしば他者を傷つけたり、将来に禍根を残すことになりうる。パスカルはこのような観点から、熟慮と謙虚さをもって行動すべきであると促している。
現代においても、環境問題や経済政策、個人の倫理的選択など、複雑な利害と時間軸が交錯する課題が多い。この名言は、短絡的な判断や利己的な行動がもたらす危険に対して、慎重に物事の全体像を見通す姿勢を求めるものであり、あらゆる分野での指針となる。
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