「良い戦争など決してなく、悪い平和など存在しない」

- 1706年1月17日~1790年4月17日
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、発明家、科学者、著述家
- アメリカ独立戦争で重要な役割を果たし、アメリカ合衆国の建国の父の一人として知られる。電気に関する研究で著名な発明家であり、定常波や避雷針の発明者。外交官としても活躍し、フランスとの友好条約締結に尽力した。
英文
“There was never a good war, or a bad peace.”
日本語訳
「良い戦争など決してなく、悪い平和など存在しない」
解説
この名言は、戦争の本質的な悲惨さと、平和の絶対的な価値を簡潔かつ明快に表現した、ベンジャミン・フランクリンの平和主義的信念を象徴する一文である。彼はアメリカ独立戦争という現実を生きながらも、いかなる正当化があろうとも、戦争がもたらす破壊と苦痛を「善」と呼ぶことはできず、平和は常に追い求めるべき理想であると信じていた。この言葉は、政治的・道徳的な視点から、戦争を冷静に見つめ直すための鋭い指針である。
現代においても、戦争は「正義」「自衛」「解放」などの名目で行われるが、その代償は常に命と尊厳の喪失であり、善悪で語ること自体が虚しい結果をもたらす。一方で、どれほど不完全な平和であっても、それは命を守り、対話と共存の可能性を残すものであり、「平和の欠点」は戦争の悲劇に比べればはるかに小さい。この名言は、戦争を軽々しく容認しがちな風潮に対する根源的な問いかけでもある。
この言葉にはまた、平和とは受け身の状態ではなく、積極的に築き守るべき価値であるというメッセージが込められている。フランクリンは、外交や理性、妥協といった手段によって平和を追求すべきであり、破壊よりも構築、対立よりも和解を選ぶことこそ人間の英知であると信じていた。「どんな戦争にも善はなく、どんな平和にも悪はない」――この名言は、争いの時代にあっても、平和への希求を決して見失わぬための普遍的な原則である。
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