「大帝国も大きなケーキと同じで、端から崩れやすいものだ」

- 1706年1月17日~1790年4月17日
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、発明家、科学者、著述家
- アメリカ独立戦争で重要な役割を果たし、アメリカ合衆国の建国の父の一人として知られる。電気に関する研究で著名な発明家であり、定常波や避雷針の発明者。外交官としても活躍し、フランスとの友好条約締結に尽力した。
英文
“A great empire, like a great cake, is most easily diminished at the edges.”
日本語訳
「大帝国も大きなケーキと同じで、端から崩れやすいものだ」
解説
この名言は、大きな組織や国家は、中心ではなく周縁から衰退していくという政治的・地理的な真理を、日常的な比喩によって巧みに表現している。ベンジャミン・フランクリンはアメリカ独立戦争の渦中で活躍した人物であり、大英帝国が植民地(つまり「周縁」)の統治に失敗したことが帝国の衰退を招いたという実感を持っていた。この言葉は、周縁の不満や疎外感を放置することが、やがて中心の崩壊につながるという警告を含んでいる。
現代の国家や大企業においても、中央集権が進む中で、地方や現場の声が無視されると、不満や対立が表面化し、全体の統一が損なわれる。たとえば、経済的・文化的に周縁とされる地域が見捨てられたと感じると、分離独立運動や内部からの不協和音が強まる。これは、巨大なものほど、その境界を丁寧に扱わねばならないという政治的な教訓である。
この名言は、組織の健全さを保つには、中心だけでなく「周辺をいかに大切にするか」が鍵となることを教えている。フランクリンの視点は、権力や統治が強大になるほど、その維持には繊細な配慮と包摂が求められるという普遍的な原則を伝えている。周縁からの崩壊はゆっくりだが確実に進行する――この警句は、あらゆる権力構造に対する時代を超えた警鐘である。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
申し込む
0 Comments
最も古い