「イラク戦争に反対した愛国者もいれば、イラク戦争を支持した愛国者もいる。私たちは一つの国民であり、皆が星条旗に忠誠を誓い、皆がアメリカ合衆国を守っている」

1961年8月4日~
アメリカ合衆国出身
政治家、弁護士、作家
バラク・オバマは、アメリカ合衆国第44代大統領として、2009年から2017年まで務めた人物である。
最大の功績は、医療保険制度改革、いわゆるオバマケアを成立させたことであり、数千万人の無保険者に保険加入の道を開いた。また、パリ協定への参加を主導し、気候変動対策にも取り組んだ。外交面ではキューバとの国交正常化を実現し、イラン核合意にも署名した。
しかし、政策推進にあたり議会との対立が激化し、分断を深めたとの批判もある。人種問題や中東政策への対応も賛否が分かれている。彼の理想主義的な演説と実務とのギャップを指摘する声も存在する。
英文
“There are patriots who opposed the war in Iraq and there are patriots who supported the war in Iraq. We are one people, all of us pledging allegiance to the stars and stripes, all of us defending the United States of America.”
日本語訳
「イラク戦争に反対した愛国者もいれば、イラク戦争を支持した愛国者もいる。私たちは一つの国民であり、皆が星条旗に忠誠を誓い、皆がアメリカ合衆国を守っている」
解説
この発言は、バラク・オバマが国民の政治的意見の違いを超えた一体感を訴えたものである。彼は、イラク戦争をめぐる激しい意見対立の中でも、異なる立場を取る者同士がともにアメリカを愛し、守ろうとしていることを認め、分断ではなく共通の忠誠心に目を向けるべきだと呼びかけた。ここでの「we are one people(一つの国民である)」という表現は、多様性の中の統一というアメリカの理想を強く意識させるものである。
背景には、イラク戦争に対する国内の賛否両論と激しい政治的分断があった。オバマは、意見の違いが愛国心の有無を決定するものではないと強調し、相互の敬意と国家への共通の責任感を回復することを目指した。この発言は、健全な民主主義において異なる意見が共存できる社会の必要性を強く訴えるものである。
現代においてもこの考え方は極めて重要である。たとえば、国内政治の極端な対立や社会的分断が問題となる今日、オバマのこの発言は、意見の違いを超えて共通の価値と忠誠を認識し、健全な対話と協力を取り戻す必要性を力強く示している。多様性を尊重しながらも一体感を失わない社会の理想を、改めて思い起こさせる言葉である。
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