「軍事行動に伴う代償を決して過小評価するつもりはないが、リビアで行動を起こさなかった場合、アメリカが支払う代償ははるかに大きかったと私は確信している」

- 1961年8月4日~
- アメリカ合衆国出身
- アメリカ合衆国第44代大統領、政治家、弁護士、作家
英文
“So while I will never minimize the costs involved in military action, I am convinced that a failure to act in Libya would have carried a far greater price for America.”
日本語訳
「軍事行動に伴う代償を決して過小評価するつもりはないが、リビアで行動を起こさなかった場合、アメリカが支払う代償ははるかに大きかったと私は確信している」
解説
この発言は、バラク・オバマが2011年のリビア介入に関する国民向け演説で述べたものである。彼は、軍事行動の重みとリスクを十分に認識しつつも、行動しないことの方がより深刻な結果を招くと判断したことを説明している。ここでの「failure to act(行動しないこと)」という言葉は、消極的な選択にも重大な責任が伴うという考えを強く打ち出している。
背景には、リビアのカダフィ政権が反政府勢力に対して行っていた大規模な弾圧と人道的危機がある。オバマは、放置すれば大量虐殺が現実のものとなり、国際社会におけるアメリカの道義的地位も損なわれると考え、限定的な軍事介入を正当化した。この発言は、リーダーシップに求められる難しい判断、すなわち「行動の代償」と「不作為の代償」の比較を端的に示している。
現代においてもこの視点は重要である。たとえば、国際社会が人道危機や地域紛争に直面した際、介入か不介入かの選択に悩む場面は多い。オバマのこの発言は、リーダーがリスクを冷静に見極め、より長期的かつ道義的な視点から決断を下すべきであるという教訓を力強く語っている。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?