「私が初めてニトログリセリンを見たのは、クリミア戦争の初期だった。サンクトペテルブルクでジニン教授が父と私にそれを見せ、金床の上で叩いてみせた。その際、ハンマーが当たった部分だけが爆発し、広がらないことを示した」

アルフレッド・ノーベル
アルフレッド・ノーベルの名言
  • 1833年10月21日~1896年12月10日
  • スウェーデン出身
  • 発明家、化学者、実業家
  • ダイナマイトを発明し、ノーベル賞を設立した

英文

”The first time I saw nitroglycerine was in the beginning of the Crimean War. Professor Zinin in St. Petersburg exhibited some to my father and me, and struck some on an anvil to show that only the part touched by the hammer exploded without spreading.”

日本語訳

「私が初めてニトログリセリンを見たのは、クリミア戦争の初期だった。サンクトペテルブルクでジニン教授が父と私にそれを見せ、金床の上で叩いてみせた。その際、ハンマーが当たった部分だけが爆発し、広がらないことを示した」

解説

この言葉は、アルフレッド・ノーベルが科学に触れる契機となった経験を物語っている。ノーベルの発明家としてのキャリアの一端は、このような直接的な化学体験から始まったと言える。このエピソードは、後に彼がニトログリセリンを改良してダイナマイトを発明するきっかけともなった、非常に重要な記憶である。

当時、クリミア戦争(1853年~1856年)はヨーロッパ列強が関与する大規模な紛争であり、技術や化学兵器の進歩が加速していた時代でもあった。ジニン教授が見せた実験は、ニトログリセリンの驚異的な特性を科学的に証明したものであり、ノーベルの科学への関心を大いに刺激したと考えられる。ノーベルがその後、爆発物の安全性を向上させるために努力した背景には、この経験が大きく影響していたと推測される。

この言葉はまた、科学的発見が持つ二面性についても考えさせられる。ニトログリセリンは工業的進歩に寄与すると同時に、戦争の破壊力を増幅する道具にもなり得る。ノーベルが後にノーベル平和賞を創設したことを考えれば、この初期の経験が彼に科学と倫理の関係について深い洞察をもたらしたのは間違いないだろう。

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