「人間的協力の道を歩むすべての者にとって、戦争は忌まわしく非人間的なものに映るはずである」

- 1870年2月7日~1937年5月28日
- オーストリア出身
- 精神科医、心理学者
英文
“To all those who walk the path of human cooperation war must appear loathsome and inhuman.”
日本語訳
「人間的協力の道を歩むすべての者にとって、戦争は忌まわしく非人間的なものに映るはずである」
解説
この言葉は、アドラー心理学における共同体感覚の倫理的帰結を示している。アドラーにとって、人生の目的とは他者と協力し合い、相互に貢献しながら共に生きることにあった。このような視点に立てば、破壊と殺戮によって相互関係を断ち切る戦争は、人間の本質に反する非合理で非道徳的な行為と映るのは当然である。
戦争は常に「敵」と「味方」の分断を生み出し、互いの存在を否定し合う構造を持つ。しかし、アドラーが説くように、人間は孤立した存在ではなく、共感と協力によって初めて本来の力を発揮できる社会的存在である。ゆえに、人間的協力を人生の中心に据える者にとって、戦争とはその原理を根底から覆す行為に他ならない。
この言葉は、現代における平和構築の思想にも通じる。国家や個人が争う前に、共通の人間性と目的に立脚した対話と理解の道を模索すべきであるという、アドラー的な倫理観の訴えである。戦争を忌避することは単なる理想主義ではなく、人間本来の在り方に忠実であろうとする責任ある選択なのである。
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