「歴史家とは、誰も尋ねていない質問に答え続ける耳の聞こえない人のようなものだ」
- 1828年9月9日~1910年11月20日
- ロシア出身
- 作家、哲学者
- 『戦争と平和』や『アンナ・カレーニナ』、『イワンのばか』などの大作を執筆し、文学のみならず、政治・社会にも大きな影響を与えた
英文
“Historians are like deaf people who go on answering questions that no one has asked them.”
日本語訳
「歴史家とは、誰も尋ねていない質問に答え続ける耳の聞こえない人のようなものだ」
解説
トルストイのこの名言は、歴史家が時に現実からずれた視点で過去を解釈し、誰も求めていない答えを示していることへの批判を表している。 彼は、歴史家たちが自らの関心や主観に基づいて過去を解釈し、現代にとって本質的に重要でない事柄に焦点を当ててしまう傾向を指摘している。トルストイは、歴史が個々の事実や出来事だけでなく、全体的な流れや人間性の探求に貢献すべきだと考えていた。この言葉は、歴史が過去の単なる記録ではなく、現代と未来に意義を持つものであるべきだという彼の信念を反映している。
現代においても、歴史の研究や教育がどのように行われるべきかについての議論がある。 歴史は過去の出来事の羅列ではなく、そこから学び、未来に生かすべき教訓が求められている。しかし、時に学問的な歴史研究があまりに細分化され、一般の人々にとって理解しづらいものになることもある。トルストイの言葉は、歴史を単なる学問ではなく、現実世界とつながり、現代人にとって意味のあるものとして捉えるべきだと示唆している。
さらに、この名言は、歴史が人々のためにあるべきだという視点を強調している。 歴史の役割は、過去を知るだけでなく、現代の問題に対して洞察を与え、人間としての理解を深めることにある。トルストイの言葉は、歴史家がその意義を見失わず、人々が求める疑問に応える形で歴史を解釈し、伝えるべきであることを教えている。
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