「人生には二つの悲劇しかない。ひとつは欲しいものを手に入れられないこと、もうひとつはそれを手に入れることだ」
- 1854年10月16日～1900年11月30日
- アイルランド出身
- 作家、詩人、劇作家
- 『ドリアン・グレイの肖像』『真面目が肝心』『サロメ』などの小説、戯曲、詩を執筆し、ウィットに富んだ社会批評とユーモアを通じて、19世紀後半のイギリス文学に大きな影響を与えた
英文
“There are only two tragedies in life: one is not getting what one wants, and the other is getting it.”
日本語訳
「人生には二つの悲劇しかない。ひとつは欲しいものを手に入れられないこと、もうひとつはそれを手に入れることだ」
解説
オスカー・ワイルドはこの名言で、人生の欲望と満足に対する逆説的な見解を示している。彼は、欲しいものを手に入れられないことが苦しみであると同時に、手に入れた途端にそれが期待とは異なる現実を伴うことにより、また別の形の苦しみが生じると指摘している。ここには、願望の追求が必ずしも満足をもたらすわけではなく、手に入れた後には新たな問題や空虚さが待っているという人間のジレンマが含まれている。
この名言は、現代においても欲望と満足の関係についての深い洞察を与えている。多くの人が特定の目標や夢を追求するが、それが実現したときには、別の問題や新たな欲望が生まれることが多い。たとえば、成功や財産を手に入れても、さらなる成功や別の不安が湧き上がり、心から満たされることが難しいという現象がある。ワイルドの言葉は、目標や欲望の達成が必ずしも最終的な幸福をもたらすとは限らず、人間の欲望には満足しきれない側面があることを示している。
また、この名言は、期待と現実のギャップについても考えさせる。欲望の追求は夢や希望を持たせるが、実際に手に入れると、その現実は想像していたものと異なることが多い。ワイルドはこの言葉を通じて、欲望と満足の相反する関係を描き出し、達成に対する人間の飽くなき欲望と、手に入れた後の失望や虚しさが人生の一部であることを暗示している。この名言は、欲望と満足の無限ループについて思索する機会を提供し、人生における本当の満足感や幸福の意味を探求するきっかけを与えてくれるものである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか？
