「自然を愛することを学ぶのに、芸術を理解する以上の方法はない。芸術は野の花の一輪一輪に価値を与えるのだ。そして、飛んでいる鳥が木やキャンバスの上に美として描かれたのを見た少年は、たぶんいつものように石を投げたりはしないだろう」

オスカー・ワイルド
オスカー・ワイルドの名言
  • 1854年10月16日~1900年11月30日
  • アイルランド出身
  • 作家、詩人、劇作家
  • 『ドリアン・グレイの肖像』『真面目が肝心』『サロメ』などの小説、戯曲、詩を執筆し、ウィットに富んだ社会批評とユーモアを通じて、19世紀後半のイギリス文学に大きな影響を与えた

英文

“No better way is there to learn to love Nature than to understand Art. It dignifies every flower of the field. And, the boy who sees the thing of beauty which a bird on the wing becomes when transferred to wood or canvas will probably not throw the customary stone.”

日本語訳

「自然を愛することを学ぶのに、芸術を理解する以上の方法はない。芸術は野の花の一輪一輪に価値を与えるのだ。そして、飛んでいる鳥が木やキャンバスの上に美として描かれたのを見た少年は、たぶんいつものように石を投げたりはしないだろう」

解説

オスカー・ワイルドはこの名言で、自然への愛を育む手段として芸術を理解することの意義を説いている。芸術を通して自然の美しさを再発見し、それを敬意を持って捉えることで、自然への畏敬の念が育まれるという考えである。芸術は、野に咲く花や空を舞う鳥など、一見当たり前の自然の光景にも特別な意味や価値を与え、私たちにその美を感じさせる。ワイルドは、飛ぶ鳥が木彫りや絵画の美として表現されるのを見た少年は、その美しさを感じ取ることによって、石を投げるような破壊的な行為から遠ざかると示唆している。

現代においても、自然と芸術の関係や、芸術が人々の感性や行動に与える影響は重要なテーマである。芸術が自然を描写することで、私たちが普段見過ごしているものに対して新たな視点や敬意が生まれることがある。たとえば、美術館で自然を題材にした絵画を目にしたとき、実際の自然に対する愛着や保護意識が高まることがある。ワイルドの言葉は、芸術を通じて自然の美を理解し、その価値を見出すことで、自然を尊重し、破壊的な行動から離れることができると教えているのである。

また、この名言は、芸術の教育的役割と感性の涵養についても示唆している。芸術を理解し、感受性を育むことで、ただ見過ごしていたものの美しさに気づき、それを破壊するのではなく保護したいと思う心が生まれる。ワイルドは、この言葉を通じて、芸術が人間の感性を豊かにし、自然との関わり方を変えていく力を持つことを示しているのである。芸術が自然の美を通じて私たちに与える敬意や愛情は、自然との深い結びつきを築き、より豊かな人生をもたらす要素としての価値がある。

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