「では、あなたは自分の魂を何と呼ぶのか? 魂についてどのような考えを持っているのか? 啓示がない限り、自分自身の中に、感情や思考の未知なる力以外の何かが存在すると認めることはできないだろう」
- 1694年11月21日~1778年5月30日
- フランス出身
- 哲学者、文学者、歴史家
- 『歴史哲学』、『寛容論』、『哲学辞典』、『哲学書簡』、『オイディプス』、『カンディード』などの多数執筆し、啓蒙思想の先駆者として知られる
英文
“What then do you call your soul? What idea have you of it? You cannot of yourselves, without revelation, admit the existence within you of anything but a power unknown to you of feeling and thinking.”
日本語訳
「では、あなたは自分の魂を何と呼ぶのか? 魂についてどのような考えを持っているのか? 啓示がない限り、自分自身の中に、感情や思考の未知なる力以外の何かが存在すると認めることはできないだろう」
解説
ヴォルテールは、魂という概念が何であるかを問いかけ、それを理解するには啓示や信仰による助けが必要であると指摘している。彼は、魂についての知識や理解が人間の感覚や経験だけで得られるものではなく、それが未知のものであり、理性や科学の範疇を超えていることを示唆している。ヴォルテールの時代、魂についての議論は哲学や宗教において盛んであり、人々は魂がどのようなものか、どうすればそれを知ることができるかについて深く考えていた。ヴォルテールは、魂の存在を証明する手段がない中で、それを理解することの難しさを認識し、それを探求することの意義を示している。
現代においても、魂の本質や存在についての理解は未解決のままであり、多くの人々が哲学的・宗教的に探求を続けている。たとえば、科学が発展しても、人間の意識や感情、思考の源がどこにあるのかを完全に解明することはできていない。魂についての議論は、単に宗教的なものにとどまらず、意識の本質や自己の存在を問う哲学的な問題にもつながっている。人間の内面には説明のつかない「未知の力」があり、それを理解しようとする試みは今も続けられている。
この名言は、人間の内面や存在について謙虚に探求することの重要性を教えている。魂や意識に関する確かな答えが得られない以上、私たちはその存在を感じつつも、それに対して思索を重ね、未知なるものに対する敬意を持つことが大切である。ヴォルテールの言葉は、人間の感覚や理性を超えたものに対する問いを投げかけ、私たちに自己とその本質について考え続ける姿勢を促している。
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