「最も危険なのは、美徳を愛するあまり罪へと駆り立てられる誘惑である」
- 1564年4月26日~1616年4月23日
- イングランド出身
- 劇作家、詩人、俳優
- 「ハムレット」や「ロミオとジュリエット」、「マクベス」などの傑作を数多く執筆し、英文学に多大な影響を与えた
英文
“Most dangerous is that temptation that doth goad us on to sin in loving virtue.”
日本語訳
「最も危険なのは、美徳を愛するあまり罪へと駆り立てられる誘惑である」
解説
この名言は、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『尺には尺を』に登場する一節で、美徳や正義への愛が、逆に罪や過ちに導く危険性を指摘している。シェイクスピアは、善意や高潔な意図を持って行動しているつもりでも、行き過ぎるとそれがかえって罪や悪へとつながることがあるという洞察を表現している。これは、美徳への強い欲望や愛情が、理想を追い求めるあまり他者を傷つけたり、自らを過ちに陥れることがあるという警告でもある。
この言葉は、現代においても行き過ぎた道徳観や善意が持つ危険性について考えさせる。たとえば、正義や道徳を守るために他人を強く批判しすぎたり、厳格なルールに固執することで他人を傷つけたりすることがある。善意から始まった行動が、過度に厳格なものとなり、かえって不和や争いを引き起こす可能性がある。行き過ぎた美徳の追求がかえって罪や害を生むというシェイクスピアの洞察は、善悪の境界がしばしば曖昧であることを示している。
また、この名言は、自己の信念や価値観におけるバランスの重要性を教えている。正義や美徳を追求することは大切だが、過剰な執着はかえって偏狭な見方や自己中心的な行動につながる可能性がある。シェイクスピアは、他者を理解し、柔軟で寛容な姿勢を持つことが、真の美徳であると暗に示唆している。
この言葉は、善悪の複雑さと、美徳と罪の境界に注意を払う必要性を教えてくれる。シェイクスピアは、正しさへの固執が誤った方向へ導くことの危険性を示し、バランスを保ちながら、柔軟で理解のある心を持つことの重要性を伝えているのである。
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