「子供の頃に愛した森はすっかりなくなってしまいました。若い大人の頃に愛した森もなくなってしまいました。最近歩いた森はまだ残っていますが、自転車道でいっぱいになっています」

メアリー・オリバー(画像はイメージです)
メアリー・オリバー(画像はイメージです)
  • 1935年9月10日~2019年1月17日(83歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、作家、ピュリッツァー賞受賞者

英文

”The woods that I loved as a child are entirely gone. The woods that I loved as a young adult are gone. The woods that most recently I walked in are not gone, but they’re full of bicycle trails.”

日本語訳

「子供の頃に愛した森はすっかりなくなってしまいました。若い大人の頃に愛した森もなくなってしまいました。最近歩いた森はまだ残っていますが、自転車道でいっぱいになっています」

解説

この言葉は、自然環境の喪失と変化への痛切な思いを表している。子供時代から大人になるまで、彼女が心の拠り所とした森が次々と消えていき、ようやく残った森も人間の開発によって大きく姿を変えてしまった。ここで強調されているのは、自然が時間と人間の影響によって失われ続けている現実である。

メアリー・オリバーは自然詩人として、森や野原を詩の中心的な題材にしてきた。その森が失われることは、単なる景観の変化ではなく、心のよりどころや創作の源泉が奪われることを意味していた。同時に、自転車道のような人間の利便性を優先する開発が、自然との本来の関わりを変質させてしまうことへの批判も込められている。

現代においても、この言葉は大きな意義を持つ。都市化や観光開発によって、自然はしばしば「利用される対象」となり、その本来の姿が失われていく。自然を残すとは単に形を残すことではなく、その生態系や静けさを守ることである。この名言は、自然の喪失を個人的な体験として語りながら、現代社会への鋭い問いかけともなっているのである。

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