「第一次世界大戦の終結はドイツの若者たちを大きな混乱に陥れた。権力の手綱は深く幻滅した年長世代の手から落ち、若者たちは新たな道を切り開くために、あるいは少なくとも進むべき新しい星を見つけるために、大きな集団や小さな集団に集まった」

- 1901年12月5日~1976年2月1日(74歳没)
- ドイツ出身
- 物理学者、ノーベル物理学賞受賞者
英文
”The end of the First World War had thrown Germany’s youth into great turmoil. The reins of power had fallen from the hands of a deeply disillusioned older generation, and the younger ones drew together in larger and smaller groups to blaze new paths or, at least, to discover a new star to steer by.”
日本語訳
「第一次世界大戦の終結はドイツの若者たちを大きな混乱に陥れた。権力の手綱は深く幻滅した年長世代の手から落ち、若者たちは新たな道を切り開くために、あるいは少なくとも進むべき新しい星を見つけるために、大きな集団や小さな集団に集まった」
解説
この言葉は、第一次世界大戦後のドイツ社会における世代交代と価値観の動揺を描写している。敗戦によって政治的・経済的に混乱したドイツでは、年長世代が失望と無力感に沈む一方で、若者たちは未来を模索し、文化的・思想的な新しい運動を生み出そうとした。ここには、社会の方向性を失った時代において、若い世代が新しい理想や道標を求める姿が表れている。
ハイゼンベルク自身も、この時代に青春期を過ごした。第一次大戦後の不安定な状況の中で、彼は哲学や音楽、そして物理学に情熱を傾けた。既存の秩序が崩壊したとき、若者が新しい価値体系を探し求めるのは必然であり、量子力学の誕生もまたそのような精神的土壌の上にあったと見ることができる。
現代的に解釈すれば、この言葉は危機や混乱の時代において、若者が新しい理想を模索し社会を変革する役割を担うことを示している。戦後のドイツの若者が「新しい星」を探したように、今日の不確実な時代にも若い世代が未来の方向性を決める力を持っていることを、この言葉は教えているのである。
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