「すべての偉大な芸術作品、大聖堂――ゴシックの大聖堂や壮麗なバロック教会――は、神の光り輝くしるしであり、したがって真に神の現れ、神の顕現である」

教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
  • 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
  • ドイツ出身
  • ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿

英文

”All the great works of art, the cathedrals – the Gothic cathedrals and the splendid Baroque churches – are a luminous sign of God, and thus are truly a manifestation, an epiphany of God.”

日本語訳

「すべての偉大な芸術作品、大聖堂――ゴシックの大聖堂や壮麗なバロック教会――は、神の光り輝くしるしであり、したがって真に神の現れ、神の顕現である」

解説

この言葉は、芸術と建築が信仰の表現であり、神の現存を示す役割を持つという理解を表している。ベネディクト16世は、ゴシックやバロックといったキリスト教美術の頂点に立つ建築を、単なる美学的作品ではなく、神の栄光を可視化する「顕現(エピファニー)」として捉えている。これにより、人々は建築そのものを通して神の存在を感じ取ることができる。

「luminous sign of God」という表現は、美の経験が神学的次元にまで昇華されることを示す。大聖堂の光、構造、芸術的荘厳さは、人間の創造力を超えて、神の偉大さを映し出すものとされる。芸術は単なる人間的営みではなく、神への賛美の行為であり、その成果は神の現れとして受け止められる。

現代においてもこの言葉は、芸術と霊性の結びつきを再認識させる。世俗化が進む社会であっても、芸術作品や建築を通して人は超越的なものに触れることができる。ベネディクト16世の視点は、文化財を単なる歴史的遺物ではなく、神の現存を指し示す「生きた証」として尊重する姿勢を示しているのである。

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