「人類は…強大な兵器における破滅的な競争を未然に防ぎ、これらの強力な物質の製造と使用を国際的に管理する措置が時機を逃さず講じられない限り、前例のない性質の危機に直面することになるだろう」

ニールス・ボーア(画像はイメージです)
ニールス・ボーア(画像はイメージです)
  • 1885年10月7日~1962年11月18日(77歳没)
  • デンマーク出身
  • 物理学者、原子模型の提唱者、ノーベル物理学賞受賞者

英文

”Humanity will… be confronted with dangers of unprecedented character unless, in due time, measures can be taken to forestall a disastrous competition in such formidable armaments and to establish an international control of the manufacture and use of the powerful materials.”

日本語訳

「人類は…強大な兵器における破滅的な競争を未然に防ぎ、これらの強力な物質の製造と使用を国際的に管理する措置が時機を逃さず講じられない限り、前例のない性質の危機に直面することになるだろう」

解説

この言葉は、核兵器とその原料に関する制御の緊急性と倫理的責任を鋭く指摘している。ボーアは第二次世界大戦中および戦後の混乱期において、核技術の軍事利用がもたらす人類規模の破局的リスクを深く懸念していた。この名言にあるように、彼は「前例のない危機」を防ぐために、国際的な協力と制度設計の必要性を強く訴えた。

1940年代、原子爆弾が初めて実戦で使用されたことにより、科学は新たな段階に突入した。それは単に技術の進歩ではなく、文明の存続を脅かす力を人間が手にした瞬間であった。ボーアは、科学者の社会的責任と国際秩序の構築に強い関心を持ち、「オープンな国際的対話」によって軍備管理を行うべきだとする構想を展開した。

この名言は、現代の核拡散や新型兵器(生物兵器・AI兵器など)の問題においても極めて示唆に富む。技術の発展が政治的制御を上回るとき、災厄は現実となる。ゆえに、技術者や国家が孤立した論理で動くのではなく、グローバルな対話と制度によって制御されるべきであるというボーアの主張は、今日もなお重要な警告であり続けている。

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