「愛とは沈黙であることに気づいたことはないだろうか。それは誰かの手を握っているときかもしれないし、子どもを慈しむ眼差しで見ているときかもしれないし、夕暮れの美しさを受け入れているときかもしれない。愛には過去も未来もなく、この特別な沈黙の状態もまたそうなのである」

ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
  • 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
  • インド出身
  • 思想家、精神的指導者

英文

”Have you not noticed that love is silence? It may be while holding the hand of another, or looking lovingly at a child, or taking in the beauty of an evening. Love has no past or future, and so it is with this extraordinary state of silence.”

日本語訳

「愛とは沈黙であることに気づいたことはないだろうか。それは誰かの手を握っているときかもしれないし、子どもを慈しむ眼差しで見ているときかもしれないし、夕暮れの美しさを受け入れているときかもしれない。愛には過去も未来もなく、この特別な沈黙の状態もまたそうなのである」

解説

この言葉は、愛と沈黙の同質性を示している。クリシュナムルティは、愛を言葉や概念では捉えられないものとして語り、それは時間を超えた直接的な体験であると考えた。愛が過去の記憶や未来の期待に基づくとき、それは真の愛ではなく欲望や執着に変質してしまう。したがって、愛は「今ここ」においてのみ現れる純粋な静けさである。

ここで言う沈黙とは、外的な音の不在ではなく、心のざわめきが止み、分裂のない全体性が立ち現れる状態を意味する。子どもや自然を前にしたときに感じる静かな充足感は、まさにこの愛と沈黙が重なり合う瞬間である。言葉を超えたつながりが、愛の本質を表している。

現代社会では、愛はしばしば関係性や条件に縛られて語られる。しかし、クリシュナムルティの言葉は、真の愛は時間に束縛されず、沈黙の中でのみ体験されると教えている。それは相手や環境によって与えられるものではなく、心が完全に静まり、現在に生きるとき自然に現れる存在のあり方なのである。

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