「労働は結局、人間を非人間化してしまう。」

教皇フランシスコ(画像はイメージです)
教皇フランシスコ(画像はイメージです)
  • 1936年12月17日~2025年4月21日(88歳没)
  • アルゼンチン出身
  • カトリック教会第266代ローマ教皇

英文

“Work ends up dehumanizing people.”

日本語訳

「労働は結局、人間を非人間化してしまう。」

解説

この言葉は、労働のあり方に対する警告である。フランシスコは、労働そのものを否定しているのではなく、労働が本来持つはずの人間の尊厳や創造性を育む側面が失われる危険性を指摘している。仕事が過度な競争や利益追求の手段となり、人を道具のように扱うとき、それは人間を「非人間化」する行為となる。

背景には、近代社会における労働環境の変化がある。産業化以降、労働はしばしば効率と生産性に支配され、働く人の幸福や人間性は二の次とされてきた。フランシスコは、労働が人を支えるものではなく、人を疲弊させ、人格を損なう現実に強い懸念を表している。

現代社会でも、この問題は深刻である。過労死、精神的ストレス、ブラック企業の問題は、労働が人を人間らしく生かすどころか、命さえ奪う場合がある。フランシスコのこの言葉は、労働が人間を支配するのではなく、人間に奉仕するものであるべきという根本原則を再確認させる。働くことは尊厳につながるが、その形を誤れば破壊的にもなるという警告である。

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