「政教分離の目的は、数世紀にわたりヨーロッパの大地を血で染めてきた絶え間ない争いを、この地から永久に遠ざけることである」

- 1751年3月16日~1836年6月28日(85歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、第4代アメリカ合衆国大統領、「合衆国憲法の父」
英文
”The purpose of separation of church and state is to keep forever from these shores the ceaseless strife that has soaked the soil of Europe with blood for centuries.”
日本語訳
「政教分離の目的は、数世紀にわたりヨーロッパの大地を血で染めてきた絶え間ない争いを、この地から永久に遠ざけることである」
解説
この言葉は、政教分離の意義を歴史的教訓に基づいて強調している。ジェームズ・マディソンは、ヨーロッパの歴史において宗教戦争が数世紀にわたり流血をもたらしたことを踏まえ、アメリカでは同じ過ちを繰り返さないために教会と国家を分離すべきだと考えた。ここでは、政教分離は抽象的な原理ではなく、流血の歴史を回避するための現実的な防衛策として語られている。
背景として、宗教改革以降のヨーロッパはカトリックとプロテスタントの対立による戦争や迫害に苦しんだ。三十年戦争や異端審問といった出来事は、宗教と国家が結びつくことの悲惨な帰結を示していた。マディソンや建国の父たちは、こうした歴史を反面教師とし、アメリカ合衆国においては信教の自由を憲法に保障し、国家が宗教に介入しない体制を築いたのである。
現代においても、この警句は有効である。宗教的多様性が高まる社会では、国家が特定の宗教を優遇すれば分裂や対立が激化する危険がある。マディソンの言葉は、政教分離こそが平和と自由の基盤であり、宗教と国家を切り離すことが長期的な安定を保証するという普遍的な真理を示している。
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