「宗教なしに道徳が保たれると仮定することは、慎重に行わねばならない。理性も経験も、宗教的原理を排して国家の道徳が存続することを我々に期待させはしない」

- 1732年2月22日~1799年12月14日(67歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 軍人、政治家、「アメリカ独立戦争の総司令官」
英文
“Let us with caution indulge the supposition that morality can be maintained without religion. Reason and experience both forbid us to expect that national morality can prevail in exclusion of religious principle.”
日本語訳
「宗教なしに道徳が保たれると仮定することは、慎重に行わねばならない。理性も経験も、宗教的原理を排して国家の道徳が存続することを我々に期待させはしない」
解説
この言葉は、宗教と道徳の結びつきを強調している。ワシントンは、個人や国家における道徳の基盤は宗教にあると考え、宗教的要素を排した道徳は持続し得ないと警告している。ここには、理性や経験に基づいた実際的な判断として、信仰が社会秩序の支柱となるという確信が示されている。
背景として、18世紀アメリカは多様な宗派が共存する社会であり、宗教的自由を重んじつつも、社会の規範を維持するためには宗教の役割が不可欠と考えられていた。ワシントンは自身が特定の宗派に偏らなかったが、宗教の存在が国民の道徳意識を支えると理解していたのである。
現代においては、世俗的倫理や人権思想が宗教を介さずに社会の規範を形づくることが可能となっている。しかし、宗教が果たしてきた歴史的役割や、今も多くの人に影響を与えている現実を考えれば、ワシントンの言葉はなお意味を持つ。彼の警句は、社会全体の道徳を支える基盤の重要性を問いかけ続けている。
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