「私が与えるとき、私は自分自身を与える」

- 1819年5月31日~1892年3月26日
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、随筆家、ジャーナリスト
英文
”When I give I give myself.”
日本語訳
「私が与えるとき、私は自分自身を与える」
解説
この言葉は、真の贈与とは物質や形式的なものではなく、自己そのものを差し出す行為であるという思想を示している。ホイットマンにとって「与える」とは、単なる物や金銭の提供ではなく、自らの時間、労力、愛情、存在そのものを相手に捧げることを意味していた。そこには、人間関係における誠実さと全存在的な関わりが強調されている。
この考えは、『草の葉』の中で繰り返し表現されるホイットマンの人間賛美に通じている。彼は他者との結びつきを人生の根本に置き、自己を惜しみなく開いて共に生きることを理想とした。19世紀アメリカ社会は急速に拡大し、競争的風潮が強まっていたが、ホイットマンはむしろ「与えること」を人間の根源的な豊かさと位置づけたのである。
現代においても、この言葉は深い示唆を持つ。SNSや表面的な関係が多い時代にあって、単なる「モノ」や「情報」の交換ではなく、自己の真心や存在を相手に差し出すことが人間関係の基盤となる。ホイットマンの言葉は、与えることを通じて他者とつながり、自己の存在をより豊かにするという普遍的な真理を伝えているのである。
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