「もし我々が、事業から期待する利益を誇張する力を持たなければ、大きな労苦や危険を伴う企てはほとんど行われないだろう」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”Few enterprises of great labor or hazard would be undertaken if we had not the power of magnifying the advantages we expect from them.”
日本語訳
「もし我々が、事業から期待する利益を誇張する力を持たなければ、大きな労苦や危険を伴う企てはほとんど行われないだろう」
解説
この言葉は、人間が困難な事業に挑む心理の仕組みを明らかにしている。大きな労力や危険を要する行為は、冷静に見れば回避されがちである。しかし人間は、成功すれば得られる利益や栄光を過大に思い描くことで、恐怖や困難を乗り越えて挑戦する。つまり、誇張された期待が行動の原動力となるという逆説的な真理を指摘している。
18世紀のイギリスは、大航海、植民地経営、産業革命の萌芽など、危険を伴う大規模な事業に満ちていた。ジョンソンの言葉は、そうした時代における人間の行動原理を洞察したものであり、人は現実以上に未来を明るく見積もることで大事業に踏み出すと捉えていた。
現代においても、この指摘は妥当である。起業、探検、研究開発などの挑戦は、冷静に見れば失敗のリスクが大きい。しかし人はそれを押して前進し、過大な期待が革新や進歩を生む原動力となっている。ジョンソンの言葉は、人間の幻想や誇張が時に無駄ではなく、大きな挑戦を可能にする不可欠な力であることを教えているのである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「サミュエル・ジョンソン」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い