「戦争は政治の継続である。この意味において戦争は政治であり、戦争そのものが政治的行為である。古来より、政治的性格を持たない戦争は存在したことがない」

- 1893年12月26日~1976年9月9日
- 中国出身
- 政治家、思想家
英文
”War is the continuation of politics.” In this sense war is politics and war itself is a political action; since ancient times there has never been a war that did not have a political character.”
日本語訳
「戦争は政治の継続である。この意味において戦争は政治であり、戦争そのものが政治的行為である。古来より、政治的性格を持たない戦争は存在したことがない」
解説
この言葉は、毛沢東が戦争観を示す中で引用・発展させた概念であり、その源流はクラウゼヴィッツの「戦争論」にある。「戦争は他の手段をもってする政治の延長である」という思想を、毛沢東は中国の革命戦争に適用し、戦争を純粋な軍事行動ではなく政治闘争の一部として位置づけた。ここで強調されるのは、戦争の目的や方向性を決めるのは常に政治であり、軍事はその従属的手段であるという点である。
この思想の背景には、中国共産党が行った農村包囲・人民戦争の戦略がある。毛沢東は、戦争は単なる武力衝突ではなく、社会の階級矛盾を解決し、新しい体制を打ち立てるための政治的過程と理解した。したがって、軍事行動は必ず政治的目標に奉仕しなければならず、政治と軍事の分離を否定したのである。
現代においてもこの考え方は有効な示唆を含む。国家間の戦争や内戦、さらには経済制裁やサイバー戦争といった新しい形態の対立も、本質的には政治目的の延長である。毛沢東の言葉は、戦争を単なる暴力として捉えるのではなく、その背後にある政治的意図や権力関係を洞察する視点を与えている。
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