「キリストの十字架は、罪人を処刑する口実とされるだろう」

- 1757年11月28日~1827年8月12日(69歳没)
- イギリス出身
- 詩人、画家、銅版画職人、神秘主義思想家
英文
”Christ’s crucifix shall be made an excuse for executing criminals.”
日本語訳
「キリストの十字架は、罪人を処刑する口実とされるだろう」
解説
この言葉は、宗教がしばしば権力や暴力の正当化に利用されるというブレイクの鋭い批判を示している。キリストの十字架は本来、人類の救済と赦しを象徴するものであった。しかし、それが逆に国家や権力によって罪人処刑の口実として使われるという逆説を指摘している。
ブレイクの生きた18世紀末から19世紀初頭のイギリスは、死刑や厳罰主義が盛んであり、同時にキリスト教的道徳が社会秩序を支える名目として利用されていた。愛と慈悲を象徴する宗教が、実際には弾圧と暴力の道具に転化していることに彼は強い矛盾を見出したのである。
現代においても、この言葉は理念や信仰が本来の精神から逸脱し、権力のために歪められる危険を警告している。宗教的象徴や道徳的言説が、死刑制度や戦争、差別の正当化に使われる時、そこには人間の弱さと権力欲が潜んでいる。ブレイクの言葉は、信仰や理念をいかに純粋に守り抜くかという普遍的な問いを投げかけているのである。
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