「勇気に欠ける者は、狡知において強い」

- 1757年11月28日~1827年8月12日(69歳没)
- イギリス出身
- 詩人、画家、銅版画職人、神秘主義思想家
英文
”The weak in courage is strong in cunning.”
日本語訳
「勇気に欠ける者は、狡知において強い」
解説
この言葉は、人間の性格的欠陥が別の形で補われることを鋭く描いている。ブレイクは、勇気を持たない人間は正面から物事に立ち向かうことができないため、代わりに策謀や狡猾さを駆使して生き延びようとすると指摘する。つまり、臆病さはずる賢さを育む土壌となるという逆説を表している。
この思想は、彼の社会批判とも関係している。18世紀末から19世紀初頭のイギリス社会では、権力や制度の前に個人が勇気を持たず、代わりに打算や策略に頼る姿が見られた。ブレイクはそうした人間の在り方を批判的に捉え、真の強さは勇気にあり、狡猾さは勇気の欠如を覆い隠す仮初の力であると示唆している。
現代においても、この言葉は的確な警句となる。職場や社会において、リスクを取る勇気を持たない人が、裏で立ち回る狡猾さによって影響力を得ようとすることは珍しくない。ブレイクの言葉は、勇気と誠実さこそが本物の力であり、狡猾さは弱さの表れにすぎないという鋭い洞察を伝えている。
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