「愛には多くの力があるが、義務にはそれ以上の力がある」

- 1749年8月28日~1832年3月22日
- ドイツ出身
- 詩人、劇作家、小説家、哲学者、政治家
英文
“Love can do much, but duty more.”
日本語訳
「愛には多くの力があるが、義務にはそれ以上の力がある」
解説
この名言は、感情としての「愛」と、責任としての「義務」とを比較し、後者の持つ持続的かつ確実な力を称えている。ゲーテは愛の尊さを否定していないが、それでもなお、人を突き動かし、社会を支える真の原動力は義務感であるとする現実主義的な見解を提示している。つまり、愛は強いが、移ろいやすく、義務は堅固で信頼に足るものという考えがこの言葉に込められている。
愛は感情に根ざし、一時の情熱や衝動から行動を生むことがあるが、義務は理性と意志によって支えられ、状況に左右されずに行動を促す力を持つ。ゲーテは、人が困難や誘惑に打ち勝って何かをやり遂げるとき、それを支えるのはしばしば義務の感覚であると考えていた。感情よりも道徳的責任に根差した行為こそが、真に信頼できるものであるという倫理的メッセージがここに表れている。
現代社会においても、情熱だけで続けられない仕事や、感情では割り切れない人間関係がある中で、この名言は個人の成熟や社会的安定にとって義務の力が不可欠であることを思い起こさせる。愛が人を動かし、義務がそれを支える——その両者が調和してこそ、人は真に誠実な生を生きることができる。ゲーテのこの短くも重みある言葉は、感情と責任のバランスがいかに人生を形づくるかを教えてくれる。
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