「NATOという残虐な軍事同盟は、人類の歴史において知られる中で最も狡猾な弾圧の手段となってしまった」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“NATO’s brutal military alliance has become the most perfidious instrument of repression known in the history of humankind.”
日本語訳
「NATOという残虐な軍事同盟は、人類の歴史において知られる中で最も狡猾な弾圧の手段となってしまった」
解説
この言葉は、フィデル・カストロによるNATO(北大西洋条約機構)に対する強烈な非難と、軍事覇権体制への根源的な疑問を投げかける声明である。ここでカストロは、NATOを単なる防衛同盟ではなく、抑圧と介入のための「巧妙かつ偽善的な」機構であると位置づけている。とくに冷戦後、NATOが東欧や中東における軍事介入に関与してきた実態に対して、**その名目と実行内容との乖離を「ペルフィディアス(裏切りに満ちた)」という語で批判している点が象徴的である。
「人類史上最も狡猾な弾圧の手段」という強い言葉遣いは、国際法や人権の名のもとに行われた軍事介入が、実際には主権侵害と破壊をもたらしたとする視点に立っている。カストロは、NATOがアメリカ主導の覇権秩序を支える道具として機能しており、それに抵抗する国々の正当な主張や自決の試みを力で封じる存在と見なしていた。
現代の国際情勢においてもこの発言は、軍事同盟が安全保障を提供する一方で、力による秩序を再生産し、不信と緊張を生む構造を内包していることを再認識させる。カストロのこの言葉は、グローバルな軍事支配の仕組みを道徳的に問い直し、真の平和と主権尊重の国際秩序とは何かを考えさせる鋭い批評である。
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