「結局のところ、科学とは本質的に国際的なものです。そして、それに国民的な性質があると見なすのは、歴史的な感覚の欠如によるものにすぎません」

マリ・キュリーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1867年11月7日~1934年7月4日
  • ポーランド出身(後にフランスで活動)
  • 物理学者、化学者、教育者

英文

“After all, science is essentially international, and it is only through lack of the historical sense that national qualities have been attributed to it.”

日本語訳

「結局のところ、科学とは本質的に国際的なものです。そして、それに国民的な性質があると見なすのは、歴史的な感覚の欠如によるものにすぎません」

解説

この言葉は、科学の普遍性と国境を超えた本質を強調する、マリー・キュリーの国際主義的な視点を示している。彼女はポーランド生まれでフランスで活躍したが、どの国にも属さない「真理の探究者」として科学を追い求めた。その経験から、科学に国籍を付与することの無意味さと、むしろそれが歴史的事実に反することを鋭く指摘している

科学の進歩は、文化や国境を超えた知識の積み重ねによって成り立っている。ニュートンもダーウィンもパスツールも、それぞれの国に貢献したが、その発見や理論は全人類の財産として扱われている。キュリーはこのことを「歴史的感覚」と呼び、科学の本質を理解するには、過去の知的連帯と協力を忘れてはならないと述べている。

現代では科学技術が国家戦略や経済競争に利用されがちだが、気候変動や感染症のような地球規模の課題に対しては、国際的な連携が不可欠である。この言葉は、科学は対立の道具ではなく、協力と理解の架け橋であるべきだという、時代を超えた警告と希望のメッセージである。真理の探究に国境はない——それが、マリー・キュリーの揺るぎない信念であった。

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