「私はノーベルと同じように、新しい発見から人類は害よりも多くの恩恵を得るだろうと考える者の一人です」

- 1867年11月7日~1934年7月4日
- ポーランド出身(後にフランスで活動)
- 物理学者、化学者、教育者
英文
“I am one of those who think like Nobel, that humanity will draw more good than evil from new discoveries.”
日本語訳
「私はノーベルと同じように、新しい発見から人類は害よりも多くの恩恵を得るだろうと考える者の一人です」
解説
この言葉は、科学の進歩がもたらす結果に対するマリー・キュリーの信念と希望を表したものである。彼女は、ノーベル賞の創設者であるアルフレッド・ノーベルと同様に、新たな知識や技術が人類にとって最終的には善をもたらすと信じていた。放射能という現象の発見も、その当初は純粋な科学的関心によるものであり、それが医療や物理学の発展に寄与した事実が、この考え方を裏付けている。
とはいえ、科学の発見には常に善と悪の両面が存在する。ラジウムのような元素は、がん治療などに貢献する一方で、後には原子爆弾の開発にもつながった。そうした背景においても、マリー・キュリーは、発見そのものに善悪はなく、問題はそれをどう扱うかにあるという立場を貫いた。人間の理性と倫理によって、科学は善の力となり得るという確信が、ここには込められている。
現代でも、AIやバイオテクノロジーなどの革新が進む中で、この言葉は技術の扱い方に関する倫理的議論に強く響く。進歩を恐れるのではなく、それを理解し、人類の幸福のために正しく用いる責任を持つことが求められている。マリー・キュリーのこの言葉は、科学への信頼と人間性への期待を同時に表明した、深い哲学的宣言である。
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