「1990年代半ばにデクスター・シューという会社を4億ドルで買収した。だが、それは無価値になった。そしてその際に支払ったバークシャー株は、今ではおそらく4000億ドルの価値になっていただろう。だが、私はたくさん愚かな決断をしてきた。それもこのゲームの一部だ」

- 1930年8月30日~
- アメリカ合衆国出身
- 投資家、実業家、慈善家
- 「オマハの賢人」と称され、長期的価値投資を実践して巨大投資会社バークシャー・ハサウェイを率いる。世界有数の富豪でありながら質素な生活を貫き、近年は資産の大部分を慈善活動に寄付することを誓っている。現代を代表する投資家として世界的に知られている。
英文
“I bought a company in the mid-’90s called Dexter Shoe and paid \$400 million for it. And it went to zero. And I gave about \$400 million worth of Berkshire stock, which is probably now worth \$400 billion. But I’ve made lots of dumb decisions. That’s part of the game”
日本語訳
「1990年代半ばにデクスター・シューという会社を4億ドルで買収した。だが、それは無価値になった。そしてその際に支払ったバークシャー株は、今ではおそらく4000億ドルの価値になっていただろう。だが、私はたくさん愚かな決断をしてきた。それもこのゲームの一部だ」
解説
この言葉は、どれほど優れた投資家であっても失敗は避けられないという現実を、率直かつ潔く認めるバフェットの姿勢を示している。彼は、一つの失敗が非常に大きな損失につながったことを正直に語り、完璧を求めることではなく、失敗を受け入れながら前進し続けることの重要性を伝えている。過ちを恐れるのではなく、学びとして受け入れる柔軟な態度が、この言葉に込められている。
この名言の背景には、バフェットが買収したデクスター・シューが、競争力を失い、完全に価値を失ったという実際の失敗経験がある。当時支払ったバークシャー・ハサウェイの株式の将来価値を考えれば、損失はさらに巨大であるが、それでもバフェットは失敗を恥じるのではなく、投資というゲームに失敗がつきものだという現実を冷静に受け止めている。
具体例として、バフェットはこのような失敗を糧に、後の買収においてより慎重かつ質にこだわる姿勢を強めた。また、投資家たちに対しても、失敗を隠すのではなく開示し、そこから教訓を学ぶ姿勢を奨励している。失敗を恐れず、そこから学び続けることこそが、真の成功につながることを、この名言は力強く教えている。
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