「戦争の代償は戦時中には支払われない。その請求書は後になって届く」

ベンジャミン・フランクリンの名言
ベンジャミン・フランクリンの名言
  • 1706年1月17日~1790年4月17日
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、発明家、科学者、著述家
  • アメリカ独立戦争で重要な役割を果たし、アメリカ合衆国の建国の父の一人として知られる。電気に関する研究で著名な発明家であり、定常波や避雷針の発明者。外交官としても活躍し、フランスとの友好条約締結に尽力した。

英文

“Wars are not paid for in wartime, the bill comes later.”

日本語訳

「戦争の代償は戦時中には支払われない。その請求書は後になって届く」

解説

この名言は、戦争の本当の代償は、銃声が止んだ後にやってくるという、現実的かつ冷徹な政治経済の洞察を示している。ベンジャミン・フランクリンは、戦争がもたらす目に見えない負債――経済的な損失、人的被害、社会的混乱――に対して強い警戒心を持っていた。戦争中は勝利や動員に集中するあまり、将来にわたる借金や疲弊に目が向かないが、そのつけは必ず後世にのしかかってくるという警告が、この一文に込められている。

現代においても、戦争は軍事費の増大、インフレ、社会保障の削減、国民生活への打撃、さらには復興費用や外交関係の悪化といった形で、長期的な影響を国家と市民にもたらす。この名言は、一時の勝利や愛国心に酔うことなく、冷静にその後の代償を見据えることの重要性を強く訴えている。特に、戦争を煽動する政治的リーダーや支持者にとって、「誰がいつ、何を払うのか」を見極めることは、避けて通れない倫理的責任である

この言葉にはまた、戦争の本質が「未来からの前借り」であるという暗喩的真理が込められている。フランクリンは、真の愛国とは、未来世代に負債を残さないことであると考えていた。「戦争とは、血と金で買う破壊だが、支払うのは戦争が終わってからだ」――この名言は、安易な軍事行動や感情的な衝動に対する冷徹な警鐘であり、平和を維持するための知恵と節度を呼びかける、力強いメッセージである。

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