「現在の状況下において戦争を遂行するには、世論の支持なしには不可能であり、その世論は報道機関やその他の宣伝手段によって大きく形作られている」

- 1880年1月26日~1964年4月5日
- アメリカ合衆国出身
- 軍人、陸軍元帥、統治官
- 太平洋戦争において連合国軍の司令官として活躍し、フィリピン解放や日本占領政策を主導。日本の戦後復興と民主化に大きな影響を与えた。名言「I shall return(私は必ず戻ってくる)」と共に、20世紀の軍事と外交の象徴的存在として知られている。
英文
“One cannot wage war under present conditions without the support of public opinion, which is tremendously molded by the press and other forms of propaganda.”
日本語訳
「現在の状況下において戦争を遂行するには、世論の支持なしには不可能であり、その世論は報道機関やその他の宣伝手段によって大きく形作られている」
解説
この名言は、現代戦争における世論の決定的な役割を指摘している。マッカーサーは、軍事力や兵站だけで戦争は成り立たず、国民の支持という心理的・社会的な要素が不可欠であると述べている。そしてその世論が、報道機関や宣伝によって操作されうるという現実をも強調している点で、戦争と情報の不可分な関係を示唆している。
これは第二次世界大戦や朝鮮戦争の時代背景を反映している。特に20世紀以降、新聞、ラジオ、映画、後にはテレビといったメディアが、戦争の正当性や敵国像を国民に浸透させる手段となった。マッカーサーのこの言葉は、軍人でありながらも、戦争の遂行がいかに心理戦や情報戦に依存しているかを深く認識していた証である。
現代においても、この名言は色あせていない。ソーシャルメディアやインターネットによって、情報の流通と世論形成の速度と影響力はさらに増しており、戦争や軍事介入の是非がメディアによって左右される現実がある。ゆえにこの言葉は、報道の自由と責任、また情報の受け手である国民の批判的思考の重要性を再認識させるものであり、民主主義と戦争の関係を考える上で本質的な警句となっている。
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