「征服者は常に平和を愛する者である」

カール・フォン・クラウゼヴィッツ
カール・フォン・クラウゼヴィッツの名言
  • 1780年7月1日~1831年11月16日
  • プロイセン王国(現ドイツ)出身
  • 軍人、軍事理論家
  • 著書『戦争論』で「戦争は他の手段をもってする政治の延長」と述べ、近代軍事学に大きな影響を与えた

英文

“A conqueror is always a lover of peace.”

日本語訳

「征服者は常に平和を愛する者である」

解説

この名言は、一見すると矛盾しているように思えるが、クラウゼヴィッツ特有の現実主義的な視点を表している。彼は、征服者が戦争を通じて領土や権力を得た後、得られた成果を維持し、それ以上の混乱を避けるために平和を求めることが多いと指摘している。この平和への志向は、道徳的な理由ではなく、戦略的な目的に基づくものである。

歴史的に見ても、ナポレオンなど多くの征服者は、目的を達成した後は戦争を続けるよりも、統治を安定させるために平和を確立する努力をした。クラウゼヴィッツの時代背景では、戦争そのものが大きなコストを伴い、戦い続けることが長期的な利益を損なうリスクが高かった。ここでの「平和を愛する」とは、戦争の後の成果を確保するための現実的な選択を指している。

現代でも、この言葉は政治や経済の分野で応用可能である。たとえば、競争の激しい市場で他社を打ち負かした企業が、その後は市場の安定や持続可能性を目指す姿勢を取ることがある。同様に、国際政治でも一国が大きな影響力を獲得した後、その地位を維持するために和平や安定を追求するケースが見られる。この名言は、戦争や競争の中での勝利が最終目標ではなく、その後の安定が重要であるという教訓を示している。

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