「人間が七十歳や八十歳まで生きるのは、種にとってこの長寿が無意味ではないからである。人生の午後もまたそれ自体に意義を持たねばならず、人生の朝に対する哀れな付け足しであってはならない」

カール・グスタフ・ユング
カール・グスタフ・ユングの名言
  • 1875年7月26日~1961年6月6日
  • スイス出身
  • 精神科医、心理学者
  • 分析心理学を創始し、元型や集合的無意識の概念を提唱した

英文

“A human being would certainly not grow to be seventy or eighty years old if this longevity had no meaning for the species. The afternoon of human life must also have a significance of its own and cannot be merely a pitiful appendage to life’s morning.”

日本語訳

「人間が七十歳や八十歳まで生きるのは、種にとってこの長寿が無意味ではないからである。人生の午後もまたそれ自体に意義を持たねばならず、人生の朝に対する哀れな付け足しであってはならない」

解説

この名言は、ユングが人生の後半における成長や意味を強調していることを示している。彼は、人生を朝(若年期)と午後(中年以降)の二つの段階に分け、それぞれが異なる目的と意義を持つと考えた。若年期は主に外的な成功や社会的役割に焦点が当てられるが、中年以降は内面的な成熟や自己の統合が中心となる。

ユングは、人生の午後を無意味な延長とみなすことに反対し、むしろこの時期を自己理解と精神的成長のための貴重な時間と捉えた。彼の「個性化プロセス」という概念では、中年以降において無意識の影や未解決の課題と向き合うことで、全体性を達成するプロセスが始まる。この時期は、外的な成功よりも内的な平和や自己受容が重要となる。

現代においても、この言葉は高齢化社会における人間の生き方について考えさせられる。仕事を退職した後の時間をどう過ごすか、あるいは年齢に伴う身体的変化とどう向き合うかが課題となる。しかし、ユングの視点から見ると、人生の午後は新たな意味や価値を見出すための重要な時期である。この名言は、年齢を重ねることの積極的な意義と、自己探求を続けることの大切さを教えてくれる。

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